
従来型の賃貸借契約(普通借家)は正当時由(立退きを要求できるだけの正当な理由)が存在
しない限り、家主からは更新拒絶ができず、契約が自動的に更新されるのに対し、定期賃貸住宅
契約(定期借家)は、契約で定めた期間が満了することで、更新されることなく確定的に賃貸借契約
が終了する契約です(双方が合意すれば再契約は可能)。
そこで、ここでは実際にどういうケースで活用されているか紹介してみましょう。
(1)持ち家を定期借家で賃貸
・子供が独立し、老夫婦2人では家が広すぎるので引っ越すことにした。
家は近い将来、息子夫婦に相続させたいので、期間が定められる定期借家で賃貸した
(団塊世代が定年を迎え、今後このようなニーズがどんどん増えると予測される)。
・転勤の為自宅は不在になる。5年後に定年退職となるので、それまでの期間、定期借家
で賃貸した。
・売却希望の中古住宅を所有。慌てて売りたくないので期間1年の定期借家で賃貸した。
時間をかけて買主を探すこともでき、入居日も確約できる。
(2)アパートを定期借家で賃貸
・定期借家制度を導入したことで、契約不履行の入居者とは再契約しないことが可能になった。
その結果、優良な入居者の方だけが残ることになった。
・学生向けに卒業までの期間を契約期間として定期借家で貸している。退去時期が確定する
ので、半年前から次の入居者の募集が出来るようになった。
(3)所有ビルを定期借家で賃貸
・建替えが決定した場合、従来の賃貸借契約では居座りリスクが生じる為、空室にし続けざるを
得ない。定期借家にすれば、例えば1年後に建替える場合、期間1年の定期借家で貸すことが
でき、収益を確保することができる。
・建物の長期修繕、リニューアル、売却や取壊しがスムーズに行える。
以上の例を見ましても定期借家制度とは、賃貸契約のバリエーションが増え、中古不動産市場の
活性化にもなります。